書籍紹介

本の紹介


『ものが生まれる産地 ものを輝かせるデザイン〜 ある公設試験場指導員の80→90年代奮闘記〜』 
影山和則著  ラトルズ刊  2,310円



かつてブルーノ・タウトやシャルロット・ペリアン、イサム・ノグチらを招いて、日本の伝統産地の活性化が図られていた時代があった。それを押し進めていたのが工芸試験所で、名前こそ変わったが精神は受け継がれ、今でも全国各地で地道な活動を続けている。その一人である埼玉県産業技術総合センターの影山和則の著書。1983年に六本木AXISで行った展覧会に始まり、80~90年代の日本の伝統産地とデザイナーを取り持つ奮闘ぶりが、スピーディな文章で語られている。

そして最後に、この本を出版した2012年時点の、日本のものづくりの状況と問題点をまとめている。産地、デザイン、流通、プロデュース、行政まですべてを視野においていて、わかりやすい。ものづくりに関わる人には是非読んでもらいたい一冊。「日本の産地とデザイナーの相関年表」「1980-1990年代と、2000年代の産地とデザイン分布地図」も必見。

*本は、変わる「産地とデザイン」会議2013の会場でも販売いたします。

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